基本情報
□ 学名:Dynastes hercules hercules
□ 和名:ヘラクレス ヘラクレス
□ 産地:グアドループ諸島、ドミニカ島 (一般的に流通しているのはグアドループ産)
□ 備考:ヘラクレスオオカブトには多くの亜種が存在しており、全13亜種にのぼる (2022年時点)。現地では多く流通しているようだが輸出が禁止されているため現在では野外採集個体が輸入されることはない。実際に現在国内で流通している個体は繁殖個体である。数年前に輸入されて高値で取引されていたがどのようなルートで輸入されたのかは甚だ疑問である。レコード個体は180 mm を超えておりカブトムシ界の王者と呼ぶにふさわしいサイズである。
我が家の本格的なクワカブのブリードはヘラクレスヘラクレスからスタートした。ヤフオクで送料込み3700円くらいで♂128♀63の小型ペアを購入して累代を開始した。無血統だったが、低体重でサイズが出る還元率の高い系統で、最終体重110 g程度で160 mmくらいのサイズの個体が羽化することもある。また、写真のように基部の太い個体も羽化することがある。


飼育情報
ペアリング
♂は羽化から2~3カ月、♀は1.5カ月ほどで後食が始まる。♂の交尾は激しいため♀の踏ん張りがきくように足場はしっかりした環境が良い。我が家ではハンドベアリングを行っているが、性成熟していればすぐに交尾を開始する。交尾は約1~2時間で完了する。必ずではないが交尾完了のサインとして♂と♀の交尾器から赤い糸のようなものが繋がっているのが確認できる (まさに赤い糸)。交尾が完了した後も♂がしつこく♀を追い回すことがあり、♀が弱るのを避けるためにも交尾完了後はなるべく早く引き離す必要がある。

産卵セット
産卵セットに使用するマットは廃マットでも十分であり、ある程度発酵が進んでいればそこまでこだわらなくてもよさそうである。ただし、マットの圧力は非常に重要であり、大きめの容器で下の方をガチガチに詰めておかないと産卵をほとんど行わない。自然界では堆積した土が多いと下の方が押し固まるが、食欲旺盛で多くの土を必要とするヘラクレスにとっては土の多い環境 (土が固まっている環境) の方が好ましい。このように、生存本能的に幼虫の生育に適した環境を選択しているように思われる。大学で研究を行っていた際に読んだ論文であるが、あるショウジョウバエでは腐敗が進んだフルーツが幼虫の生育環境に適しているが、親は腐敗が進む直前のフルーツに産卵を行う。幼虫が孵化してそのフルーツを食べるころには腐敗が進んだ環境ができあがっており幼虫に適した環境になっている。自然選択によって生物は進化をしているというが非常に上手くできているものである。
我が家ではダイソーの20Lの衣装ケースを使用しており6割はガチガチに詰めて、2割は少し詰める、残り2割はふんわりマットをかぶせて転倒防止材とゼリーをセットする。

採卵


1週間から2週間ほどでケースを裏返して割り出しを行う。マットは固まっているため手でほぐしながら卵を取り出す。卵は産卵用の部屋に入っており卵自体も丈夫なため土をほぐしても簡単にはつぶれない。卵の管理方法として湿らせたティッシュの上にのせる方法があるが、孵化のタイミングを1日~2日逃すとティッシュの中にもぐってしまい取り出すのに手間がかかり☆になってしまう可能性もある。そのため、我が家ではマットにくぼみを作りそこに卵を1つずつ入れる形で管理している。もし孵化を見逃してもそのままマットに潜りエサを食べることができるため☆になるリスクを回避できる。写真は採卵直後の写真 (1枚目) と孵化が近い卵の写真 (2枚目) である。交尾が成功していて卵の中で発生が進んでいる場合は写真のように卵が丸く膨らむ。卵によっては中の幼虫が見える場合がある。
幼虫飼育
幼虫飼育用のマットはクワガタショップMDさんのカブトマットベーシックを使用しており、管理温度は20~23℃程である。孵化した幼虫は直ぐに 500 cc ほどのプリンカップに移し 1~1.5 か月くらい管理する。サイズがペットボトルのキャップくらいの大きさになったら、新しいマットを入れた 1500 cc のクリアボトルにひっくり返す形で移動させる。3か月経ったら1回目のマット交換を行い雌雄判別 (←後日追加します。) を行うとともにダイソーの 5 L タッパーに移動させる。マット交換の際にはもともと食べていたマットをいれた方が共生細菌を多く残すことができ生育にポジティブな効果が期待される。ここから3か月後にマット交換を行い、♂はいれと庫、♀はそのままダイソーの 5 L タッパーで管理する。♂は横に長めの蛹室を作るため、いれと庫のような長く平べったい容器が羽化までの管理に適している。その後は3か月おきにマット交換を行う。♂は大体1年前後、♀は10か月前後で蛹室を形成する。蛹室が底や、側面で角が曲がりそうな位置に形成されている場合は掘り出して写真のように園芸用のスポンジを加工して管理する。
※ ダイソーのタッパーは密閉性が高いため穴あけ加工が必要です。
※ いれと庫はビデオ・新書用で、外寸が幅14.5 cm、奥行き45 cm、高さ21 cmの商品。

前蛹から蛹になる様子①

前蛹から蛹になる様子②

蛹になった直後

羽化から数時間後
我が家では上記の飼育方法で160 mm 前後の♂が羽化している。まだまだ飼育方法に工夫が必要だが、160 mm でも十分に迫力があり楽しめる。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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