フォルスターフタマタクワガタ 亜種ニシ (チベット産) の飼育記録

Hexarthrius

基本情報

□ 学名:Hexarthrius forsteri nyishi

□ 和名:フォルスターフタマタクワガタ 亜種ニシ

□ 産地:チベット メンリン

□ 備考:標高 500 ~ 2000 m の広葉樹林帯外縁部に生息し、7月下旬~10月下旬に発生する。フォルスター3亜種の中では標高の高い地域まで分布があるため、管理温度は2~3℃ほど低めが良いかもしれない。学名 (種小名) の 「nyishi」はアルナーチャル・プラデーシュ州の先住民族であるニシ族に由来している。

♂と♀の写真。♂は我が家のAPLS産と比べると赤みの鮮やかさがない。また、♀も赤みが強くない。これが個体差によるものなのか地理的な差なのか気になるところである。

飼育情報

ペアリング

羽化から約1か月で後食を開始するので、ゼリーを食べ始めてから2週間ほどでハンドペアリングを行う。1時間くらいあれば十分に交尾が完了する。産卵や幼虫管理なども全て約20~23℃で管理を行った。

産卵セット

産卵木はナラ材を使用。肉質が良く爪を立てて表面がぴきぴき割れる程度の材を使用した。樹皮を剝いだ後、30分ほど加水して、そのまま使用、または材が硬い場合は幼虫に使用したマットに埋めてバクテリア材に加工して使用。マットを2~3 cm ほど敷き詰めて、その上に材を転がす。マットは基本的に材から卵や幼虫が落ちた時にその個体が生存できるようにすることが目的なので、幼虫が生育できる種類なら何でも大丈夫だが、幼虫がより大きく育つように我が家では幼虫飼育に使用しているマットを使用している。材は1セットで10本前後は使用して、1回のセットで5~6本使用する。材の表面産みなので、細い材よりは太めの材を使用して表面積をかせいだ方がよい。フォルスター3亜種の中で最も柔らかい材を好んでいる気がする。我が家では1♀から30匹くらいの幼虫を確保している。

産卵セットの様子 (セットから1か月以上経過した状態)

採卵

産卵数を伸ばす、または卵がカビにまかれないようにする、メスが卵をつぶさないようにする、ハズレ♂や♀を見分ける、交尾がうまくいっているか見分ける目的で採卵を3日おきに行う。

写真のように埋め戻しがあればドライバーなどを用いて慎重に卵を掘り起こす。

幼虫飼育

孵化した幼虫は頭の色が黄色くなってから200 cc プリンカップで1匹ずつ管理。3か月くらいで2~3齢幼虫になるので、頭の大きさで大まかに分類して、♂も♀も800 cc ボトルで管理する。マットは固詰めすると酸欠になるのか幼虫が上がってきてしまうので軽く詰める程度に入れている。我が家では生オガ配合マットを使用しているので、このままマット交換はせず半年以上管理して羽化までもっていく。

今回の飼育で、APLS産のような幼虫で☆になる個体はほとんどいなかったが♂はサイズがあまり出なかった (65~70 mm)。クヌギが配合されたマットを使用したが、クヌギには灰汁 (アク) が多いことから幼虫の食いが悪くなった可能性がある。次回は標高の高い種に対しては灰汁が少ないブナマットを使用して幼虫管理を試してみる予定である。

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