ボーリンフタマタクワガタ 亜種バミノルムの飼育記録

Hexarthrius

基本情報

□ 学名:Hexarthrius bowringi baminorum

□ 和名:ボーリンフタマタクワガタ 亜種バミノルム

□ 産地:インド アルナーチャルプラデーシュ州 ローワー・スバンシリ

□ 備考:標高 500 ~2000 m の広葉樹林帯外縁部に生息し、7月下旬~10月下旬にかけて発生する。原名亜種よりも標高の高い地域まで生息しているため飼育温度は原名亜種よりも低い方が良いかもしれない。2016年に新亜種として登録され、学名 (亜種名) の「baminorum」はローワー・スバンシリの協力者であるChada Bamin氏とその家族に献名されたものである。

♂の写真。羽先から赤色のグラデーションができており、黒色との相性が良い。

♀の写真。我が家の個体は♀も赤みが強く出ている。

飼育情報

ペアリング

羽化から約1か月で後食を開始するので、ゼリーを食べ始めてから2週間ほどでハンドペアリングを行う。1時間くらいあれば十分に交尾が完了する。産卵や幼虫管理なども全て約20~23℃で管理を行った。

産卵セット

産卵セットの様子 (セットから1か月以上経過した状態)

産卵木はナラ材を使用。肉質が良く爪を立てて表面がぴきぴき割れる程度の材を使用した。樹皮を剝いだ後、30分ほど加水して、そのまま使用、または材が硬い場合は幼虫に使用したマットに埋めてバクテリア材に加工して使用。マットを2~3 cm ほど敷き詰めて、その上に材を転がす。マットは基本的に材から卵や幼虫が落ちた時にその個体が生存できるようにすることが目的なので、幼虫が生育できる種類なら何でも大丈夫だが、幼虫がより大きく育つように我が家では幼虫飼育に使用しているマットを使用している。材は1セットで10本前後は使用して、1回のセットで5~6本使用する。材の表面産みなので、細い材よりは太めの材を使用して表面積をかせいだ方がよい。我が家では材の表面のみ加水した材 (内部が乾燥した状態) で産卵セットを組んだ場合、高確率で卵が変色したりしぼんだりして孵化率が低下している。逆に材の内部までしっかりと加水している材 (雨が降った後のようなかなり湿った状態) では孵化率が高いため多湿な環境が適している可能性がある。画像の右下の材は水分量が丁度よく反応も良い。

採卵

産卵数を伸ばす、または卵がカビにまかれないようにする、メスが卵をつぶさないようにする、ハズレ♂や♀を見分ける、交尾がうまくいっているか見分ける目的で採卵を3日おきに行う。他のフタマタクワガタに比べて卵が弱く潰れやすい印象なので扱いには注意が必要である。また、黒く変色したり腐ること多いため管理が難しい。回収した卵は200 cc のプリンカップに加水した幼虫飼育用のマットを8割くらい入れて卵どうしの間隔をあけて管理する。産卵セットで水分量が多い方が良いように卵を管理する際も湿度が高い方が孵化率が高い。我が家では、逆に乾燥している場合は高確率で孵化していない。加水のイメージとしてはマットを握って水がしたたり落ちるくらいが良い。ビークワ50号で原名亜種の記事を見た際には、乾燥気味の方が孵化率が高いと記載があったので、我が家で飼育している個体がたまたま水分量が多くて上手くいった場合や、バミノルムでは水分量が多い方が良い場合などが考えられる。様子を見ながら記事を更新します。

写真のように埋め戻しがあればドライバーなどを用いて慎重に卵を掘り起こす。

1♀から20~30匹くらい幼虫が確保できているが、我が家の卵は原名亜種よりもダメになる確率がかなり高い。幼虫も弱く羽化不全になる確率が高いので最後まで気が抜けない種である (温度管理がわるいのかなぁ。。。)。

幼虫飼育

卵を回収してから1か月くらいで孵化する。孵化した幼虫は頭の色が黄色くなってから200 cc プリンカップで1匹ずつ管理。3か月くらいで2~3齢幼虫になるので、頭の大きさで大まかに分類して、♂も♀も800 cc ボトルで管理する。マットは固詰めすると酸欠になるのか幼虫が上がってきてしまうので軽く詰める程度に入れている。我が家では生オガ配合マットを使用しているので、このままマット交換はせず半年以上管理して羽化までもっていく。幼虫サイズがそこまで大きくないことと、生オガは消化吸収に時間がかかりあまりエサを求めた移動を必要としないので、1500 cc のボトルで管理すると移動していない箇所のマットが劣化して生育にネガティブに作用してしまっているように感じるので800 ccボトルで管理している。明らかに800 cc のサイズが小さく感じる個体は1500 cc に移動させる。

写真くらいのサイズになれば1500 cc に移動させた方がよい。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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