アマミミヤマクワガタの飼育記録

アマミミヤマクワガタ

基本情報

□ 学名:Lucanus ferriei

□ 和名:アマミミヤマクワガタ

□ 産地:奄美大島

写真は今回のブリードに使用した親個体。アマミミヤマクワガタのオスの大あごは、本土ミヤマと異なり直線的な形状をしている。実際、本土ミヤマの学名 ( Lucanus maculifemoratus ) を見ても分かるように別種になるようですね。

※ 学名は「属名・種小名」の順に記載する。亜種名がある場合は種小名の後に記載する。

サイズ:46 mm

羽化日:2021/10/上旬

産地:奄美大島油井岳

累代:CBF1

サイズ:32 mm

羽化日:2021/10/上旬

産地:奄美大島油井岳

累代:CBF1

※ 同腹個体

飼育情報

ペアリング 2022/9/中旬

羽化した年は10℃より低い温度のワインクーラーで休眠させ、翌年の8月頃に温度を徐々に上げて20℃前後で活動を開始させる。自然界では8~9月にかけて発生のピークをむかえるようなので、我が家でも同じくらいのタイミングで活動を開始させる計画で管理を行った (つもりだが温度を上げるタイミングが少し遅かった気がする)。成虫を管理する際に湿らせたティッシュペーパーやキッチンペーパーを入れておくと、活動開始を判断しやすい (活動開始すると動きまわるのでティッシュやキッチンペーパーがボロボロになる)。エサはあまり食べないので、上記の判断方法が好ましい。活動開始からの寿命は約1~2か月ととても短いので、活動開始から1週間後にハンドペアリングを行った。寿命が短い種だけあって交尾意欲も高く直ぐに交尾を開始した。交尾の様子は数分間の短い交尾を複数回行っている様子だった。トータルで30分もしないうちに交尾が完了。

産卵セット 2022/9/中旬, 2022/10/上旬

□ 温度:21~23℃

□ 容器:コバエシャッター中ケース

□ 水苔:ニュージーランド産のちょっと良いやつ (加水して使用)

□ 産卵木:産座用に大きめの材1本 (マットに水分が十分に含まれるため少し湿らせた程度に加水)

□ マット:黒土 (ホームセンターの安いやつ):Nマット & Uマット (RTN) = 3 : 7

※ NマットとUマットの配合割合は適当。

水分量は強く握っても水がしたたり落ちない程度に調整。容器の3割はガチガチに詰めて、そこから4~8割くらいのところに材を入れてマットは固詰め。最後の9~10割はふわっとマットをのせるだけ。その上に水苔を敷いて、高タンパクゼリーを置いておく。

※ ♀は産卵の際に多くのタンパク質を消費するので、産卵の際は高タンパク質のゼリーを与えたほうが産卵数が増加する。少なくとも他の完全変態昆虫では研究室の実験レベルでも同様の方法が用いられている。

割り出し 2022/10/22, 2022/11/04

産卵セットを組んだ日から約1か月後に割り出し。1♀で2セット組んで、卵2個と幼虫35匹 (うち2匹はつぶしてしまった・・・) だった。水苔はマットに引き込まれているようだったが、ほとんどが幼虫になってしまっていたので産卵に使用したかは判断できなかった。また産座として入れた材からは幼虫は1匹も確認できなかった。その周辺にはたくさん幼虫が居たので足場としては活躍したのかな?といったところ。割り出した幼虫はもともと産卵に使用していたマットと新品のNマットまたはUマットを入れて管理した。

幼虫飼育

幼虫管理は基本的にワインクーラーで行う。我が家では18℃で羽化まで管理した。幼虫期間は2年~3年で約2年で大半の個体が蛹化した。蛹化してから2~3か月くらいで羽化した。幼虫に使用したマットはNマットとUマット、プロEXプレミアム (クワガタショップMD) で、マット交換は羽化までに2回程しか行わなかった。管理温度が低いのでマットの劣化はあまり目立たなかったが、もう少し交換回数を増やした方が良いかもしれない。

我が家のワインクーラー

蛹室を作った幼虫

♂の蛹

成虫管理

羽化した成虫は1か月くらい経ってから8℃のワインクーラーで休眠管理している。空の容器に加水した水苔を敷いてその上に濡らしたキッチンペーパーを2枚重ねでのせる。水苔を使用しなくてもマットの上に濡らしたキッチンペーパーをのせて管理することも可能だがワインクーラー内は乾燥しやすいため水苔は使用した方が良い。数か月おきに容器内が乾燥していないか休眠中も確認を行う。

我が家で羽化した♂の成虫

我が家で羽化した♀の成虫

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